


連日熱戦が続いているリオデジャネイロオリンピック。大会4日目の8日(現時時間)は、体操は男子団体の決勝で日本が金メダルを獲得。
体操の男子団体は、日本からは内村航平選手、加藤凌平選手、白井健三選手、山室光史選手、田中佑典選手の5人が出場。2004年のアテネ五輪以来の金メダルを目標に掲げて挑んだのですが、予選では内村選手が鉄棒で落下するなど、チーム全体にミスが相次ぎ、まさかの4位と出遅れ。王座奪還へ暗雲が漂いました。
迎えた決勝戦、最初の種目・あん馬で、1人目・内村がノーミスの演技で15.100点の高得点を挙げたが、2人目の山室が落下してしまい、13.900点とスコアを伸ばせず。3人目の加藤が14.933点を記録。あん馬は山室のミスが響き、トータル43.933点。
2つめの種目・吊り輪では、山室は大きなミスも無く14.866点。内村も落ち着いた演技で14.800点。田中は最後の着地をピタリと決め、チームトップの14.933点。吊り輪はトータル44.599点。2種目終了時点で88.532点。
3番目の種目の跳馬、ここで日本は大きくスコアを伸ばします。1人目の加藤はロペス(側転からの前方回転4回ひねり。)を見せるが、着地で1歩乱れて15.000点。2人目の内村は、大技「リ・シャオペン(ロンダート、後ろとびひねり前転とび前方伸身宙返り2回半ひねり)」を成功させて15.566点。そして3人目の白井健三が、自らの名前のついた技「シライ/キムヒフン(伸身ユルチェンコ3回ひねり)」を完璧に成功させ、15.633点の高得点を叩き出しました。日本はこの種目で46.199点を記録。日本は前半3種目を終えて、134.731点。首位・ロシア(136.764点)に約2点差を追いかける展開で後半戦へ。
4種目目の平行棒、日本の1人目・田中が15.900点。2人目・加藤(15.500点)。3人目の内村(15.366点)も15点台で、合計46.766点。ライバルのロシアは46.033点と日本を下回った。ここまで日本が181.497点VSロシア・182.797点。その差は1.3点差に縮まった。
5種目目は鉄棒。ここでロシアは3人とも14点台に終わり、合計でも43.890点に留まる。逆転のチャンスを迎えた日本は、1人目・加藤が15.066点をマークすると、2人目・内村は予選で落下した屈伸コバチを決め、途中小さなミスもあったものの、15.166点をマーク。3人目の田中も15.166点。日本は3人全て15点台を出し、合計45.398点。総合得点でも日本が226.895点VSロシアが226.687点と、わずか0.208点差で日本がロシアを逆転して首位に浮上します。
最終種目は床運動。金メダルのかかった大事な場面で、1人目・白井が本領を発揮します。完璧な「リジョンソン(後方抱え込み2回宙返り3回ひねり)」のあと、最後の「シライ/グエン(後方伸身宙返り4回ひねり)」を見事に決めてみせた。スコアも16.133点の高得点を記録し、日本に勢いをもたらします。2人目の加藤は安定感の高い演技で15.466点。最後に登場した内村も15.600点をマーク。床での合計は47.199点のハイスコア。6種目を終えた日本は、274.094点で終了。
その後、金メダル争いでライバルとされた中国とロシアが、日本の総得点を上回ることができず、日本の金メダルが決定しました。
体操男子団体 結果
金メダル:日本 274.094点
銀メダル:ロシア 271.453点
銅メダル:中国 271.122点
体操男子日本代表が、アテネ以来3大会ぶり7度目の団体金メダルです!予選ではミスが続出して、金メダルは厳しいかと思われましたが、決勝でしっかりと立て直し、予選4位から劇的な大逆転優勝を果たしました。あん馬で出遅れたものの、跳馬で流れを変え、鉄棒でロシアを逆転。最後の床運動では白井選手が16点台を出し、ロシアを突き放しました。
「団体での金メダル獲得」に意欲を見せていた内村選手は、リーダーとしてチームを引っ張り、3度目の正直で悲願達成。山室選手はあん馬の失敗を吊り輪で取り返し、加藤選手と田中選手も安定感が光り、白井選手は難易度の高い技を次々と成功させ、チームに勢いを与えました。床と跳馬の得点は、2種目とも出場選手の中で全体トップの成績。床での演技は「俺がひねり王子だ」と言わんばかりの圧巻のパフォーマンスでした。白井選手は個人種目別で跳馬と床に出場しますが、2種目でのメダル獲得もあるかもしれませんね。
体操競技はこの後、日本時間11日に男子個人総合の決勝が行われます。絶対王者・内村航平の連覇&団体との2冠達成はあるのか?加藤選手もメダル獲得を目指して頑張ってほしいです。


また、同じ日には柔道男子73キロ級&女子57キロ級が行われ、73キロ級で大野将平選手が金メダルを獲得しました。
大野選手は初戦の2回戦と3回戦で一本勝ちを収めると、準々決勝ではラシャ・シャフダトゥアシビリ(ジョージア)に優勢勝ち。
準決勝ではディルク・バンティヘルトと対戦し、開始1分54秒に巴投げて技ありを奪うと、3分30秒過ぎには有効ポイントを奪って優位にすすめる。そして3分54秒、巴投げが決まり一本勝ち。見事に決勝に駒を進めました。
決勝ではルスタム・オルジョイ(アゼルバイジャン)と対戦。1分30秒過ぎに内股で技あり。すぐさまオルジョイが押さえ込みで反撃するも、大野がすぐ寝技を解いた。迎えた3分15秒、大野が小内巻き込みでオルジョイを叩き付けて一本!大野将平が金メダルを手にしました。
男子体操団体の金メダルで、大野選手の金メダル獲得の話題が霞んでしまいましたが、日本柔道にとって今大会初めての金メダリストが生まれました。男子では2008年北京五輪の100キロ超級の石井慧さん以来の金獲得です。5試合中4試合で一本勝ちを収め、準決勝と決勝は相手を圧倒しました。日本勢はここまで、準決勝敗戦→3位決定戦で勝って銅メダルが続いていましたが、大野選手の金メダルでさらに勢いづけばよいのですが…。
女子57Kg級には、前回のロンドン五輪金メダリストの松本薫選手が連覇を目指しました。準々決勝では本戦4分間+延長戦と約8分間の死闘を制しましたが、準決勝では開始24秒で一本負けを喫して連覇の道が断たれました。それでも、3位決定戦では台湾の選手に勝利して銅メダル獲得。ロンドンの金に続き、2大会連続でメダル獲得となりました。
試合後の松本選手は、銅メダル獲得に「何も持たないで日本に帰れないと思った。うれしいのと悔しいのと甘酸っぱい感じです」と振り返っておりました。4年後の東京五輪については「出たいよね~」と意欲的だった松本選手、4年後もメダル獲得できるといいですね。




