


リオデジャネイロ五輪の大会14日目は、女子レスリングで日本勢が3階級で金メダル獲得!日本レスリング界にとって歴史的な1日となりました。
女子48キロ級の登坂絵莉選手は、初戦の2回戦でジュルジズ・エシモワ(ウズベキスタン)に6-0で下すと、準々決勝のヘイリー・アウゲロ(米国)戦では、第2ピリオドに相手にバックを取られて1-2とリードされたが、登坂が体を入れ替えた後、ローリングなどの連続攻撃で一気に8ポイントを奪い、9-2と突き放す。その後も相手の片足を取ってから、体をひっくり返して4点追加。11-2の完勝で準決勝進出。
準決勝の孫亜楠(中国)戦、第1ピリオドにバックで2点を失ったが、第2ピリオドに登坂がバックで2点を返すと、アンクルホールドから3回続けてローリングを決めて8-2。その後「消極的姿勢」の注意を受けて1点取られたが、リードを守り切りタイムアップ。8-3で孫を下し、決勝進出&メダル確定。
決勝戦、登坂はロンドン五輪銀メダリストのマリア・スタドニク(アゼルバイジャン)と対戦。第1ピリオド1分過ぎに、スタドニクが登坂を場外に押し込んで1点を先取。登坂はなかなか攻めることができないまま、第1ピリオドの3分間が終了。
第2ピリオド、「消極的」の注意を受けた登坂に30秒間の「アクティビティタイム」が与えられたが、技が出ないまま30秒が経過し、スタドニクに2点目が入る。試合時間残り48秒で登坂に1点が入ったが、まだ1-2と1点ビハインド。残り15秒で登坂が勝負を仕掛け、残り6秒で片足タックルで相手を倒し、その勢いでバックを取って2ポイント獲得!試合終了目前で登坂が3-2と逆転!劇的勝利で金メダル獲得です!
4大会連続金メダル獲得に挑む58キロ級・伊調馨選手は、初戦の2回戦でマルワ・アマリ(チュニジア)に11-0のテクニカルフォール勝ち。準々決勝のエリフジャレ・エシリルマク(トルコ)戦も3-1で勝利。準決勝のユリア・ラトケビッチ(アゼルバイジャン)戦では、わずか2分20秒で10点を挙げてテクニカルフォール勝ち。危なげなく決勝戦まで進出します。
決勝はワレリア・コブロワゾロボワ(ロシア)と対戦。第1ピリオドに伊調が相手の消極的姿勢で1点を先取するが、2分15秒すぎに伊調タックル→コブロワゾロボワがタックルを切ってから伊調の足を掴む。伊調も抵抗するが、バックを取られて2点を失う。第1ピリオドを終え、1-2とリードされる展開に。
第2ピリオド、30秒過ぎにコブロワゾロボワが両足タックルを狙うが、伊調が必死に守り抜く。1分25秒過ぎにコブロワゾロボワのタックルを切った伊調が、逆に片足タックルを仕掛けるもかわされる。残り30秒でコブロワゾロボワが片足を取ったが、伊調が相手を潰してからバックに回る。コブロワゾロボワも伊調の右足を掴むが、伊調が強引に離してバックを取って2点獲得!残り3秒で伊調が逆転し、4大会連続金メダルを達成しました!
69キロ級は土性沙羅が出場。1回戦はウクライナの選手に11-2と圧勝すると、2回戦はトルコの選手を相手に12-0のテクニカルフォール勝ち。準々決勝のドロシー・イーツ(カナダ)戦では、前半に1-2とリードされたが、後半にタックルとバックで6点を奪い勝利。準決勝のアンナイエンニュ・フランソン(スウェーデン)戦は、0-2と劣勢を強いられたが、第2ピリオド残り50秒にバックを奪い2-2の同点。残り15秒のところで相手に抱えこまれるが、土性が投げ返して4点を奪う。終了間際に大技を決めた土性が7-2で決勝進出。
決勝戦、ロンドン72キロ級金メダリストのナタリア・ボロベワ(ロシア)と対戦。第1ピリオドはボロベワが優位に進め、土性が「消極的姿勢」で1点を取られる。第2ピリオドも「アクティビティポイント」でポイントを奪えず1点を失う。0-2で迎えた残り1分30秒、土性が片足タックルを仕掛けるも、ボロベワがかわす。残り40秒で相手のバックをかわしきった後、片足タックルでテイクダウンを奪い、2-2の同点!このまま2-2で試合終了となったが、「ビッグポイント(大技の点数)」で上回った土性が判定勝ちで金メダル。
いやぁ~日本の女子レスリングは強いですねぇ!3階級制覇の金メダルラッシュです。決勝戦は3試合とも劇的な内容となり、登坂選手は残り6秒、伊調選手は残り3秒で逆転。土性選手はボロベワ選手に押し込まれながらも、ワンチャンスをモノにしました。劣勢になりながらも試合をひっくり返す執念ぶりはさすがです。
伊調選手はアテネ・北京・ロンドンに続いての金メダル。女子では史上初の個人種目4連覇を達成。男子でも4人しかいないという偉業ですから、伊調選手にも国民栄誉賞を与えてもいいと思います。4年後の東京五輪については「今は考えられない。とりあえず一区切りとしたい」と明言せず。4年後は36歳になるけど、5連覇を目標に現役続行するってこともありそうだ。
初出場で金メダルを獲得した登坂選手と土性選手は、至学館高校と至学館大学出身。先輩の登坂選手が先に金を獲得すると、後輩の土性選手も続きました。2人を指導する栄和人コーチも、試合終了後に小躍りしたり、選手に肩車されたりと喜び爆発しまくりでした。教え子が優勝すると嬉しいですよね。4年後は2人ともチームの中心選手になるだろうし、連覇も期待できるでしょう。
日本はこの日に女子レスリングで3個獲得し、今大会の金メダル獲得数は10個となりました。2ケタに達したのは2004年のアテネ以来です。卓球男子団体も銀メダルでしたので、ここまで金10個、銀5個、銅18個、合計で33個獲得しております。大会最終日までにメダルの総獲得数は幾つになるのでしょうか?




