


東京ドームでの「2013ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の2次ラウンド1組は、12日に最終日を迎え、この日は「日本代表VSオランダ代表」の1組順位決定戦が行われました。10日の試合でアメリカ行きの切符を手にし、準決勝1番乗りを果たした侍JAPAN、オランダとの再戦に勝って1位通過を決めておきたいところです。
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日本代表 オランダ代表
1(中)長野久義 (遊)シモンズ
2(二)松井稼頭央 (右)スターティア
3(遊)井端弘和 (二)スコープ
4(指)阿部慎之助 (指)Aジョーンズ
5(右)糸井嘉男 (一)スミス
6(一)中田 翔 (左)サムス
7(左)角中勝也 (三)ボーハールツ
8(捕)炭谷銀仁朗 (捕)リカルド
9(三)松田宣浩 (中)オデュベル
(投)大隣憲司 (投)P・ベルクマン
日本は2日前の試合から先発メンバーを大幅に入れ替え、1番には不振が続く長野が入り、松井が2番セカンド、井端が3番ショート、阿部が4番DH、角中が7番レフト、炭谷が先発マスクを被ります。先発投手は1次ラウンド・キューバ戦以来となる大隣憲司。対するオランダは、前日のキューバ戦で負傷したバレンティンとデカスターが先発から外れ、ジョーンズが4番に入りました。8回に値千金の同点弾を打ったシモンズ、9回にサヨナラ犠牲フライを放ったサムスも先発に名を連ねました。
日本先発・大隣は1回、オランダ先頭のシモンズに2球目のストレートを狙われ、レフトスタンドへの先頭打者本塁打を浴び、いきなり先制点を与えてしまいます。しかし、スターティアをチェンジアップで空振り三振に仕留めると、スコープとジョーンズにも空振り三振を奪い、3者連続三振で1点に抑えます。2回にはスミスとリカルドの2人から三振を奪い、3回は3者凡退に退け、3回を投げてシモンズの一発による1失点でマウンドを降りました。
1点ビハインドの日本は2回、先頭の阿部がオランダ先発・ベルクマンの9球目のストレートを振り抜き、ライトスタンドへのソロ本塁打!阿部の今大会初本塁打で日本が1−1の同点に追い付きます。キャプテンの一撃で流れが日本に傾き、糸井の四球、中田の死球、角中のバントヒットで無死満塁と逆転のチャンスを作ります。炭谷3球三振で1死後、松田がベルクマンのスライダーを弾き返し、センター前へのタイムリーヒット!糸井が生還して日本が勝ち越しに成功。なおも満塁の場面で、長野がレフト線を破る走者一掃のタイムリー2塁打で3点を追加!5−1とリードを拡げます。
この後、松井の内野ゴロで長野3塁進塁、井端が四球を選んで2死1,3塁とさらなる追加点のチャンスのところで、再び阿部に打順が回ります。阿部はオランダ2番手・イセニアの4球目のカーブをすくい上げ、ライトへ高く上がった打球はぐんぐん伸び、スタンド最前列へ飛び込んだ!阿部このイニング2本目のホームランで3点追加!この回は打者13人の猛攻で一挙8得点を奪いました!
日本は4回から継投に入り、4回は2番手・沢村拓一がスミスにヒットを許しながらも0点に抑え、5回は3番手・田中将大がボーハールツを3球三振に仕留め、オデュベルにも三振に切り取り、11球でオランダ下位打線を3者凡退。6回の4番手・今村猛もオランダ打線を寄せ付けないピッチングを披露しました。一方の打線は、3回以降沈黙し、ヒットも6回の松田の2塁打1本のみ。さらなる追加点を奪うことができません。
日本7点リードで終盤を迎え、7回表に日本は森福允彦が5番手で登板しますが、先頭打者のスミスに四球を与えると、サムスにレフト線を破る2塁打を浴びて無死2,3塁のピンチを作ってしまいます。そしてボーハールツに2塁へのタイムリー内野安打で1点を失う。なおも1死1,3塁でオデュベルにライトへの犠牲フライでまた1点返され、8−3と5点差に変わる。8回もオランダが反撃を見せ、1死2,3塁でスミス遊撃ゴロの間にもう1点返すと、なおも2死3塁でサムスのセンター前タイムリーで5点目。続くボーハールツが日本7番手・涌井秀章からレフトへの2塁打を放ち、2死2,3塁で途中出場・デクーバのライト前タイムリーヒットで6点目。終盤に粘りを見せるオランダ、8回に3点を奪い、2点差まで詰め寄ります。
追加点を奪って突き放したい日本は8回裏、2死1塁から角中が盗塁&バッテリーエラーで3塁まで進み、松田が四球を得部と、二盗も決めて2死2,3塁とします。そして長野がオランダ4番手・ヘイエスタクのカーブを合わせ、レフト前へのタイムリーヒット!角中と松田が生還して2点追加!10−6と4点差に突き放しました!そして9回、日本8番手・牧田和久が1死から連打を浴びながらも、後続を退けてゲームセット!日本が辛くも勝利し、10−6でオランダを下して東京ラウンド1位通過を決めました。
試合結果 ワールドベースボールクラシック 2013/03/12(火)
日 本−オランダ 2回戦 (日本2勝、東京ドーム、19:08、30301人)
NED 100 000 230 6
JPN 080 000 02x 10
【投手】
(オランダ)ベルクマン、イセニア、パベレク、ヘエイステク、バレンティナ−リカルド、デクーバ
(日本)大隣、沢村、田中、今村、森福、山口、涌井、牧田−炭谷、相川
【責任投手】
(勝)大隣2試合1勝1敗
(敗)ベルクマン2試合1敗
【本塁打】
(オランダ)シモンズ2号ソロ(1回、大隣)
(日本)阿部1号ソロ(2回、ベルクマン)、阿部2号3ラン(2回、イセニア)
1位通過をかけた戦いは、日本が2回に阿部選手の2本塁打などで打者一巡の猛攻で8点を奪い、またコールド勝ちの予感もありましたが、なかなか追加点が生まれず、逆に7回からオランダが反撃し、日本の中継ぎ陣が次々と打たれ、7点あったリードが2点差まで縮められました。しかし、8回裏に長野選手のタイムリーで大きな追加点を奪い勝負あり。オランダの猛追を振り切って勝利したけど、快勝ムードが一転して辛勝という内容に終わりました。でも、1位通過を決められてよかったです。
2回に2打席連続本塁打を放った阿部選手は、1本目はファウルで粘った後、9球目のストレートを捉え、ライトスタンドへの同点ソロホームラン。2本目は低めのカーブをすくい上げ、ライトスタンドギリギリのところまで持って行くという技ありの3ラン本塁打でした。「1イニング2本塁打」はWBC史上初の快挙だそうです。阿部選手はこの2次ラウンド3試合で6安打6打点。台湾戦での初ヒットを打ってから打撃が上向き、打率も.316まで上昇しました。強化試合の時から不振が続いていた長野選手は、2回に満塁のチャンスで走者一掃の2塁打、8回にはダメ押しの2点タイムリーを放ち、2安打5打点の大活躍。長野選手も侍JAPAN国内最後の試合で生き返りました。
投手陣は、先発の大隣投手が、3回を投げて打者11人に対して44球を投じ、被安打1・6奪三振・1与四死球・1失点という内容。いきなり先頭打者ホームランを浴びたものの、すぐに立ち直って2番から5番まで4者連続三振を奪う好投を披露しました。3番手で登板した田中投手は、今大会4度目の登板で初めて無失点に抑えました。ようやく復調してきたか?一方で、7回に登板した森福投手は、先頭打者への四球を与え、その後も2安打浴びて2失点。8回には山口投手が3失点と炎上しました。
WBC東京ラウンドを1位通過を果たした侍JAPAN、オランダ戦が終わって数時間後にチャーター機でアメリカ・サンフランシスコに移動。今後は日本時間15日にサンフランシスコ・ジャイアンツ、16日にはシカゴ・カブスとの練習試合、18日に準決勝を戦い、勝ち進めば20日に決勝戦。3連覇まであと2勝、ここまで来たら優勝してほしいですね。




