



2015年の夏競馬も今週でフィナーレ。9月6日は小倉競馬場で「小倉2歳ステークス」、新潟競馬場はサマー2000シリーズの最終戦・新潟記念が行われました。小倉2歳Sでは期待の2歳馬が圧巻のパフォーマンスを披露し、新潟記念は荒れる結果となりました。
小倉メイン・第35回小倉2歳ステークス(GⅢ・芝1200m)は、2歳馬14頭がエントリー。デビュー2戦2勝の⑤シュウジ、ダノンシャンティ産駒⑤レッドカーペット、フェニックス賞を勝った⑧コウエイテンマ、⑭ジュンゲル、⑨ブンブンブラウ、⑬サイモンゼーレ、④レッドラウダ、⑤ファビラスヒーローなどが出走しました。
ばらついたスタートで始まったこのレース、シュウジとブンブンブラウは後方からのスタートとなった。①オフクヒメが先手を奪い、②クリノシャンボールが2番手につけ、④レッドラウダが3番手。4番手にファビラスヒーロー、その内側にシュウジが5番手まで上昇。中団の位置には、サイモンセーレ・レッドカーペット・コウエイテンマの3頭が6番手集団を形成。その後ろの9番手グループには⑩ゼンノハーデース・ジュンゲル・⑪キンショーユキヒメ・ブンブンブラウの4頭が固まり、13番手⑦オウケンダイヤ、⑫タガノミルキーが最後方を追走する。
3,4コーナー中間点を過ぎ、ゴールまで残り400mを切り、オフクヒメが快調に飛ばすが、シュウジが2番手に浮上し、4コーナーを回ったところで先頭に躍り出る。2番手争いでは外からサイモン、真ん中ラウダ、内からカーペットがシュウジに接近する。しかし、ラスト100mでシュウジがもう一度脚を伸ばし、後続を引き離して1着フィニッシュ!シュウジ、デビューから無傷の3連勝!初めての右回り&1200mも問題なし!
今年の小倉2歳チャンピオン決定戦は、単勝1.5倍の圧倒的1番人気に支持されたシュウジが快勝。2着にはサイモンゼーレが入り、キンシャサノキセキ産駒のワンツー決着となりました。ちなみに、キンシャサ産駒からは他にも3頭が参戦し、1,2着をオフクヒメが7着、ブンブンブラウ9着、ジュンゲル11着でした。3着にはレッドラウダが入り、2番人気・レッドカーペットは4着、3番人気・コウエイテンマは5着に終わりました。
勝ったシュウジはデビュー3連勝で重賞初制覇。日高町の浜本牧場で生まれ、父・キンシャサノキセキ、母・カストリア、父の父・フジキセキ、母の父・キングマンボという血統。鞍上の岩田康誠騎手は、アドマイヤエイカンとのコンビで勝った札幌2歳ステークスに続き、2日連続で2歳重賞を制覇。管理する橋口弘次郎調教師は小倉2歳ステークス3勝目。来年2月で解散する名門・橋口厩舎から最後のスターが生まれましたね。
シュウジは過去2戦は中京コースを走り、新馬戦では3コーナーで先頭に立ち、直線で持ったまま押し切って勝利。2戦目の中京2歳ステークスでは、スタートから先頭でレースを進め、最後は3馬身差の圧勝。迎えた3戦目の今回は、スタートで出遅れながらも、道中徐々に押し上げ、4コーナーで早々と抜け出し、最後は2馬身半差をつけました。後続に迫られながらも、ゴール前で二の脚を使って突き放したから、この馬は強い思います。12月の朝日杯でロードクエストとの直接対決が見たい。
新潟メイン・第51回農林水産省賞典 新潟記念(GⅢ.芝2000m 18頭立て)は、昨年の新潟2歳ステークス覇者⑩ミュゼスルタン、同レース2着⑰アヴニールマルシェ、春の新潟大賞典を勝った⑦ダコール、そのレースで3着の⑫アルフレード、2年前の新潟大賞典を勝った③パッションダンス、昨年2着⑧クランモンタナ、巴賞を勝った⑥マイネルミラノ、重賞2戦連続2着⑨マジェスティハーツ、目下4連勝中の上がり馬⑯メドウラークなどが参戦しました。
スタートで⑤ユールシンギングが立ち遅れ。①ユキノサムライもダッシュがつかなかった。先行争いでマイネルミラノ・⑱アーデント・ミュゼスルタン・アヴニールマルシェの4頭が行き、マジェスティハーツも先行策を取る。しかし結局はマイネルミラノとアーデントの2頭が前に出る。ミュゼスルタンは5番手に控え、その後ろの6番手グループはパッションダンス・メドウラーク・クランモンタナ・アヴニールマルシェの4頭が固まっている。10番手④ファントムライト、ダコール・②ラブイズブーシェ・⑭ネオブラックダイヤ・⑮スイートサルサが11番手集団を形成。後方は15番手⑪メイショウカンパク、16番手アーデント、17番手⑬ロンギングダンサー、スタート出遅れたユールシンギングがしんがり追走。
外回り3コーナーを回り、アーデントが一気に突き放して先頭。ミラノが2番手につけ、パッションが3番手に浮上。マジェハー4番手、メドウ5番手、ミュゼスル7番手、アヴニールはまだ中団馬群に控えたまま新潟の長い直線コースに入る。ゴール残り500mのところでマイネルミラノが逃げるアーデントをかわして先頭に躍り出る。3番手からパッションダンスが追い込んで2番手に躍り出る。マジェスティーハーツ・アヴニールマルシェ・ミュゼスルタン・メドウラークの有力勢は全く伸びてこない。残り200mを切り、ミラノが完全に抜け出してこのまま1着でゴールするかと思いきや、ゴール前でパッションが外から差を詰め、最後はミラノとパッションが並んでゴール。マイネルミラノが押し切ったか?パッションダンスが捕らえたか?
9番人気・マイネルミラノと6番人気・パッションダンスの1着争いは写真判定にもつれ込みましたが、パッションダンスがゴール手前で差し切り、接戦を制しました。マイネルミラノはアタマ差の2着惜敗。3着争いの方は、13番人気のファントムライトが入り、「③-⑥-④」の3連単で38万4550円の高配当が着きました。4着以降も伏兵が健闘し、14番人気のラブイスブーシェが4着、10番人気・ロンギングダンサーが5着入線。伏兵馬たちが掲示板を占めた一方で、人気上位5頭は総崩れ。5番人気のアルフレード7着、5連勝で重賞初Vを狙った3番人気・メドウラークは9着、2番人気マジェスティハーツは10着、4番人気のアヴニールマルシェが15着、そして1番人気だったミュゼスルタンは16着惨敗…。昨年の新潟2歳Sで接戦を演じたミュゼスルとアヴニールが、1年後に揃ってボロ負け…。
大荒れの新潟記念を制したパッションダンスは、2013年の新潟大賞典以来、2年4ヶ月ぶりの勝ち星を挙げて通算5勝目。重賞勝ちも今回で2勝目です。鞍上のミルコ・デムーロ騎手は同レース初勝利。表彰式では元柔道選手の篠原信一さんにお姫様抱っこされて大喜び。思い出の新潟で復活を果たしたパッションダンス、秋のGⅠ戦線で波乱を巻き起こせるでしょうか?
来週から秋競馬が開幕し、戦いの舞台も中山競馬場と阪神競馬場に移ります。13日のメインは、中山競馬場でマイル重賞の京成杯オータムハンデ、阪神競馬場はスプリンターズステークスのステップレース・セントウルステークスです。
京成杯AHは、中京記念を勝ったスマートオリオン、関屋記念覇者・レッドアリオンのほかにも、NHKマイルカップ2着のアルビアーノ、都大路ステークス3着・コスモソーンパーク、関屋記念3着・ヤングマンパワー、ニュージーランドトロフィー2着・グランシルク、中京記念2着・アルマディヴァンなどが登録しています。
セントウルステークスの方は、CBC賞を勝ったウリウリ、ヴィクトリアマイル以来の実戦となるストレイトガール、リトルゲルダ、ハクサンムーン、ミッキーラブソング、バーバラ、アースソニック、ホウライアキコが出走予定。サマースプリントシリーズは、アイビスSDと北九州記念を勝ったベルカントが、2戦合計20ポイントでトップ。セントウルSは1着に12点が与えられ、現在10点で3位タイのウリウリが勝てば逆転優勝となります。サマーシリーズもいよいよ大詰め。夏のスプリント王、マイル王の座に輝くのはどの馬か?




